今月の臨床 血栓症と肺塞栓―予防と対策
周産期における血栓予防対策─当科の方針
1.当科の周産期血栓症予防への取り組み
安藤 智
1
,
松岡 隆
1
,
関沢 明彦
1
,
小出 馨子
1
,
大槻 克文
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学病院周産母子医療センター
pp.676-679
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100519
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はじめに
周産期に起こる血栓症で臨床的に問題となるのは,下肢深部静脈血栓症(deep venous thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.これらは合併することも多いので,総称して静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)とも呼ぶ.周産期領域における症候性のDVTの頻度は,欧米で分娩1,000に対して0.5~7例と報告されているが,近年はその予防法の進歩により,減少傾向にあるといわれている1, 2).妊娠中のDVTの発症は非妊時の数倍高く,昭和大学病院においても周産期における血栓対策としてその管理指針を作成し,対応している.
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