特集 こどもの虐待を防ごう
[インタビュー]現代の母性社会心理—大日向雅美先生に聞く
大日向 雅美
1
,
新野 由子
2
1恵泉女学園大学人文学部
2厚生省児童家庭局母子保健課
pp.681-686
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901991
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「母性」をテーマにしたきっかけは
新野 本日は,大日向先生に現代の母性社会心理についてお聞かせいただきたいと思います。まず最初に,先生がこの領域に興味をもたれたきっかけからお話しいただけますでしょうか。
大日向 1970年代前半にコインロッカーベビー事件がありましたが,それがきっかけと言えます。当時わたくしは心理学を学んでおりましたが,指導教授が「心理学は文化依存的な学問であるべきだ。抽象的な人間はいないのだから,特定の文化・社会の中で生きている人間を対象とすべきだ」とおしゃっていました。その言葉がとっても新鮮に聞こえる時代でもあったんですね。
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