特別寄稿
周産期におけるメディカルアロマテラピー(後)
東野 利夫
1
1東野産婦人科
pp.520-524
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901957
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現在,アロマテラピーが医療面に活用される傾向となりつつあるのは,最近になって脳の研究が進んだからです。
先端の研究によると,鼻の粘膜の天井部分に匂いを嗅ぐ細胞が約5,000万個もあり,そこで感受されたものが図1,2のように脳に伝わり,大脳辺縁系の,扁桃核や海馬に電気信号として伝わります。この嗅覚の中枢は人間が生きていく上で大変重要な中枢で,嗅覚によって食べて良いか悪いかの食物の選別や,敵を早く発見し逃げるか挑むかの選別,そこには記憶という重要な機能が介助しています。まさに嗅覚は,現在では退化しているとはいうものの,人間行動の原始的な判断を●る最も重要な感覚器であったわけです。
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