連載 とらうべ
「助産婦」をつくりたい
三砂 ちづる
1
1国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト疫学専門
pp.175
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901888
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私たちJICAプロジェクトチームが働く北東ブラジル(ノルデステ)には,優秀な産科医はいても,プロの助産婦はいない.中産階級の女性たちは,病院で日時を指定し,産科医のもとで帝王切開,貧しい女性たちは,適切な介助なしに不安なお産をする.ここノルデステの女性たちが安全で人間的な環境のもとで子供を産めるようになること—Safe Motherhood確立のお手伝いをするのが,われわれの仕事である.“助産婦”という職種をつくることがかなめとなる.
では,どのようなビジョンで新しい職種をつくっていくのか.次の世紀に向けて,この職種にどのような役割を期待するのか.世界中で性と生殖にかかわる関係性が多様化していく今,助産婦という職種に,お産のケアのみでなく,新たな役割が期待されていることに気づく.私たちがモデルとする日本の助産婦さんへの思いが深まっていく.
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