特別記事
[鼎談]マンゴーの樹の下で語ろう.「ブラジルに助産婦をつくりたい」
三砂 ちづる
1
,
左古 かず子
2
,
三宅 馨
3
1JICAブラジル家族計画・母子保健プロジェクト疫学専門
2あゆみ助産院
3三宅医院
pp.887-893
発行日 1999年10月25日
Published Date 1999/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902270
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ブラジルには助産婦という職種がなく,法的に助産に関われるのは医師と看護婦である。しかし,現実には短期間の教育を受けた准看護婦が関わることが多い。したがって,安全な出産を望む女性は帝王切開術を望むことが多く,都市部の私立病院では9割にものぼり,国全体でも約4割という世界的にも高い帝王切開率にだっている。
国際協力事業(JICA)は,1996年からブラジル東北部のセアラ州で「人間らしい出生と出産」をテーマに母子保健プロジェクトを5年間の予定で開始した。先に述べたように,助産に関わる専門職がないことが,妊産婦死亡や乳幼児死亡の多さにも影響を及ぼす現状から,母子保健の向上には「助産婦」という専門職が不可欠だとプロジェクトでは考えている。ブラジルに助産婦をつくりたいというプロジェクト活動には,日本の助産婦たちも長期あるいは短期の専門家として参加している。
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