特集 変わります.変えます.地域母子保健(下)
「市」からの委託による母子訪問活動
職能組織や病院の地域における役割—市内唯一の公的病院として
道辻 真由美
1
1健康保険諫早総合病院産婦人科病棟
pp.915-919
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901813
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はじめに
出産後28日以内の新生児時期は,育児の第一歩となる大切な時期である。当院では,この時期に適切な支援を行なう目的で,退院後10日目の母子健診や母乳外来などを開設し,退院後のフォローを心がけてきた。しかし,生活の場である家庭における指導は行政に任せ,病院からの訪問指導はしていないことから「本当に適切で細やかな指導ができているのだろうか」との疑問がいつもあった。
平成9年4月から住民に身近な基本的な母子保健サービスが市町村事業となった。こうした時期,わたしたち病院勤務の助産婦も前述のような育児支援への疑問や,少産時代における助産婦の役割を考える中から,地域母子保健事業へ参画を模索していた。そして今回,諫早市の母子訪問事業を病院として受託することになった。
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