特集 産痛の解明とケア
助産ケアに生かす産痛緩和法
島田 三恵子
1
1浜松医科大学医学部看護学科
pp.750-753
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901776
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はじめに
痛みのメカニズムは未だ未知の部分が多く,したがって産痛緩和のケアは産婦の反応を観ながら安楽な方法を経験的に積み上げて伝承されてきた。
産痛は,子宮体部・頸部および腟・会陰部・外陰部などの末梢神経により伝達される疼痛インパルスが,脊髄,脳幹を経て,視床で認知され,大脳皮質で評価される。したがって,視床までは疼痛に対する生理的閾値にほとんど個人差はないが,大脳皮質でその痛みを感じる感覚閾値は,過去の経験,学習,疼痛に対する注意や感情の程度に影響され,主観的で個人差がある。疼痛は疲労などの体調にも影響される。
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