特集 異常分娩をめぐる最新マネージメント
肩甲難産のマネージメント
村田 雄二
1
,
武久 徹
1大阪大学医学部産婦人科学
pp.300-302
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901686
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出生体重が4,000g以上の新生児を巨大児と定義するが,巨大児の分娩で最大の問題点は肩甲難産の頻度が増加することである。肩甲難産発生頻度は,児体重2,500g以上では0.15%,4,000g以上では1.7%(Obstet Gynecol 15:194,1960)である。発生頻度は,Gonikらは26,033頭位分娩中0.62%(AJ Perinat 8:31,1991),Baskettらは40,518頭位分娩中0.6%(Obstet Gynecol 86:14,1995)と報告しており,全分娩の0.6〜0.8%という発生頻度は,どの時代や地域でも大きな差は見られない。
肩甲難産は,あらゆる産科合併症の中で最も緊急性を要する合併症で,肩甲難産を回避する手段を常に考えながら分娩を取り扱うことによって,かなり発生頻度を下げることができる。したがって,肩甲難産の危険因子,回避方法,肩甲難産に遭遇した場合の対応方法を十分に認識しておく必要がある。
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