Medical Scope
肩甲難産(1)
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.731
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206947
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去る5月9日,東京で,「手の外科学会」という学会が開催されました。整形外科や外科の先生方を中心とした学会で,「分娩麻痺」,すなわち脳神経叢麻痺の話題が数多くとり上げられました。関東地方には,現在上肢の機能回復がほとんど望めない分娩麻痺の方々が約500名もいるということでした。私も,産科の立場から,分娩麻痺発生のメカニズムとその発生防止対策について外科系の先生方にお話ししました。
確かに,分娩麻痺の発生率は,私たちの努力で減少してきています。北里大学病院では0.04%にまで減らすことができました。しかし,整形外科の先生方のところへは,いまだに数多くの回復不能な症例が来院されており,全体的には,減少しているという印象は受けないとのことでした。そこで,今月と来月で,その発生防止対策をもう一回考えてみようと思います。
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