特集 異常分娩をめぐる最新マネージメント
骨盤位分娩のマネージメント
リチャード・ポール
1
1南カリフォルニア大学
pp.303-308
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901687
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骨盤位分娩の頻度は,全分娩の3〜4%で,妊娠週数が早いと,骨盤位頻度も増加する。現在,骨盤位分娩の取り扱いの問題点は妊婦や家族が完壁な(損傷のない)児を希望すること,多くの研究で骨盤位経腟分娩によって新生児罹患が増加することが明らかなこと,安全に経腟分娩のできる経験と技術を身につけた若い医師が少なくなったことなどである。そのため,米国では骨盤位分娩の75%に帝王切開(以下,帝切)が行なわれている。
骨盤位満期産によって,新生児死亡や罹患が問題となる。主な新生児罹患は分娩外傷,臍帯脱出,そして,胎児奇形(頭位に比べ骨盤位では増加する)である。1990年の米国の統計(オクラホマ州を除く)では,年間411万例の分娩(骨盤位は153,000例)で,臍帯脱出は約12,000例(分娩100例あたり3例)で,特に骨盤位では発生頻度が増加する(臍帯脱出発生頻度は,単臀位1.2%,複臀位6.8%,足位10.4%)(Acta Obstet Gynecol Scand(Suppl)36:39,1975)。
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