特集 社会の中の助産婦職
助産婦,自分自身への提言
日本看護協会助産婦部会
pp.222-224
発行日 1977年4月25日
Published Date 1977/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205190
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1.はじめに
戦前は,分娩(出産)は家族の世話を受けながら家庭内で行うのが常識であったが,戦後は,住宅事情等により,急速に施設内分娩が増加してきている。これに加え近年は,大部分の妊娠分娩は,生理的経過をとるとはいえ,異常に移行しやすい状態にあるので,そのケアは進歩した医療の管理下で行うという方向が強くなって,病産院・診療所内分娩が増加してきた。
これと平行して,母子衛生の1つの指標である乳児死亡率,周産期死亡率は確実に減少してきている。また妊産婦死亡率も昭和41年度は9.3(実数1,266),50年度は3.0(実数541)と着実に減少してきているが,これは欧米諸国に比較すると,まだまだ数倍に値する高率であり,わが国の医療並びに母子保健対策はいまだ十分とはいえない状況を示している。
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