特集 マイナートラブルをとらえ直す
マイナートラブルのある妊産褥婦の看護
竹中 美
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.728-739
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901095
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はじめに
妊産褥婦のマイナートラブルとは,それが医学的に大きな問題とされる異常の範疇には入らないが,妊娠・分娩に起因する心身の変化,あるいはそれに伴う比較的軽微と言える範囲の障害を,妊産褥婦が自覚的・他覚的に体験するものと考えられる。
このマイナートラブルは多種多様で,妊産褥婦自身にとっては不快な症状として出現することが多く,場合によっては耐えられない程の苦痛や不安を伴うこともあり得る。しかし,妊産褥婦のこのような不快症状の扱われ方は,従来,妊娠・産褥期が過ぎてしまえば消失するか,あるいはほとんど回復するものとして,本人が余程強く訴えない限り治療の対象にならないまま,妊産褥婦自身ではこれといった対処法もなく,我慢して過ごしてしまうことも多かったことが想像される。
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