連載 日常ケアを見直そう—「助産学」の確立に向けて・3
お産の痛み
宮里 和子
1
,
菅沼 ひろ子
2
,
園生 陽子
3
,
柴田 真理子
4
1順天堂医療短期大学専攻科
2前・聖母病院
3聖母女子短期大学専攻科
4東京都立医療技術短期大学専攻科
pp.514-520
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901044
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
午前9時,悲鳴とナースコールがアルバイトの助塵婦学生Sさんの耳に飛び込んできました。訪室すると,経産婦のAさんがベッドで体をまるめて,陣痛発作のたびに悲鳴をあげていたのでした。助産婦が少なく,看護婦もルチーンの業務をこなすのが精一杯のこの病院では,分娩第1期から産婦に付いて援助するスタッフはまずいません。ほとんどの場合,分娩台に上がるまでの長い時間を産婦は1人で陣痛にじっと耐えて過ごすことになるのです。
皆さんのまわりにはありませんか?こんな陣痛室風景。Aさんの痛みの表現である悲鳴は,助産婦にはどう聞こえているのでしょうか。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.