連載 日常ケアを見直そう—「助産学」の確立に向けて・5
助産婦のセレモニー!?—剃毛・会陰保護
宮里 和子
1
,
菅沼 ひろ子
2
,
園生 陽子
3
,
柴田 真理子
4
1順天堂医療短期大学専攻科
2聖母病院
3聖母女子短期大学専攻科
4東京都立医療技術短期大学専攻科
pp.778-784
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901101
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初産婦Kさんの出産の時が刻一刻と迫ってきました。助産婦のSさんは武者震いを覚えながら,これから展開される分娩介助のための一連の行為,助産婦としての技に,思いを馳せました。何と言っても,裂傷もなく児の娩出を終えることは,助産婦としての力量の高さを示すものだとSさんは考えています。今日のように会陰切開が日常茶飯事となっても,助産婦を自負する者にとって正常産(会陰裂傷を含めて何もないこと)に導くことに籠める思いは深いのです。
さて,S助産婦が次に出会う場面はどのようなものでしょう。今回は,私たちが疑いもなく現場や教育の場で行なっている,出産をめぐる助産婦のセレモニー的技術(剃毛,外陰部消毒,会陰保護)の実態を追ってみたいと思います。
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