特別企画 羊水の重要性とアムニオインフュージョン
アムニオインフュージョンの実際
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.618-632
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900849
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はじめに
分娩介助者には母体および胎児の安全を守るという大きな課題がある。しかも母体,胎児ともに劇的な変化を示すことがあるため,我々は常に分娩進行を注意深く監視する必要がある。母体は内科的,産科的合併症を持っていない限りは,分娩中に状態が急変し緊急の対応を迫られることは極めてまれであるが,胎児にとっては陣痛自体がストレスとなるために,胎児の状態の急変で緊急の対応を迫られることがある。
年々,妊産婦とその家族には「分娩は一般的には安全なもの」という期待が強くなっている。我々医療側はその期待にできる限り“完全に”応えるために,帝王切開(帝切)を以前よりは簡単に行なってしまうという傾向が強くなっているのも事実である。
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