特集 てんかん-知識のアップデート:基本から最新のトピックスまで
てんかん治療の実際 薬物療法の実際
阿部 裕一
1
1国立成育医療研究センター 神経内科
キーワード:
抗けいれん剤
,
てんかん
,
薬物相互作用
,
診療ガイドライン
Keyword:
Anticonvulsants
,
Drug Interactions
,
Epilepsy
,
Practice Guidelines as Topic
pp.1554-1563
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2022030520
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<Key Points>(1)てんかんの薬物療法でもっとも重要なことは、正確にてんかんを診断し、診断に合った薬剤の選択を行うことである。(2)小児てんかんの診療において、原則初回発作を認めただけでは投薬を開始しないが、再発リスクが高いと考えられる場合には投薬を考慮してよい。(3)抗てんかん薬の副作用としては、薬剤に対するアレルギーや特異体質による反応、精神症状など薬剤特有の副作用、眠気、ふらつき、めまい、運動失調など用量依存的に出現しやすい神経系の副作用、および長期投薬による副作用がある。(4)多くの抗てんかん薬は別の抗てんかん薬やそのほかの薬剤、あるいはある種の食品の影響を受けて代謝が変動し、相互作用を認める可能性があることを念頭において治療を行う必要がある。(5)抗てんかん薬血中濃度の有効域はあくまで参考値であり、その範囲より低い値でも有効であることや、副作用が強く出る場合、有効域の上限をこえていても副作用はなく非常に有効である場合などもあるので、患者ごとに適切に判断する必要がある。(6)薬剤抵抗性を示す場合には発作がてんかん発作であるのかどうか、てんかん病型診断は適切か、薬剤の選択や投薬量が適切か、適切に服薬されているかどうかの確認が必要である。
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