ちょっとサイエンス
「気」や超常現象に科学のメスが入る
牧 智子
pp.348
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900789
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通産省が「気」の解明に取り組む
「気」や超常現象というと,科学にはなじまない,合理主義ではとらえられない神秘的なもの,オカルト的なものと考えられがちです。確かに超常現象を特集したテレビ番組などには,いわくありげな「霊能者」が出てきて芝居がかったようすなどを見せるので,ばかばかしさを通り越して腹立たしくなってくることさえあります。
しかし,今の科学で合理的に説明できないからといって人間の潜在的能力である「気」や超常現象を全部ひとからげに否定してしまうのはもったいないことです。信頼関係のない医者の注射はとても痛いのに,全幅の信頼を寄せている助産婦が励ましてくれれば陣痛も元気に乗り越えられます。優しい母親の「痛いの痛いの飛んでいけー」は本当に効き目があるのです。切断された手や足が痛む「幻肢痛」などを思い起こしても,心と身体はなかなか不思議なものという思いが深くなります。
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