連載 産科免疫学十二話・11
神様のいたずら,アレルギー—妊娠とアレルギー,アトピー予防の心得
梅咲 直彦
1
1大阪市立大学医学部産婦人科
pp.254-261
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900770
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
春です。梅の香りがそこはかとなくただよい,ウグイスの鳴き声も聞かれる季節になりました。しかし花粉症の人にはうっとうしい季節の到来です。どこを向いてもクッシュン,クッシュン。眼を赤くはらした人も見受けられます。花粉症は春の季語になりそうです。
さて,花粉症は鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)や結膜花粉症を総称したもので,アレルギー性疾患の1つです。そのほか気管支喘息やアトピー性皮膚炎もアレルギー性疾患に含まれます。このようなアレルギー性疾患は最近非常に目だってきましたが,決して新しい病気ではありません。すでに紀元前3000年頃,古代エジプト王が,はち毒によりアナフィラキシーショック(サイドメモ1)になったことが報告されています。またヒポクラテスも気管支喘息について記載しています。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.