クローズ・アップ
わが国の分娩体位見直しのきっかけを作ったカルディロ—バルシア博士
pp.269
発行日 1992年4月25日
Published Date 1992/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900538
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1979年に東京て開催された第9回世界産婦人科学会(FIGO)は,わか国の分娩体位の見直しに大きな影響を与えることになった.ウルグアイ・モンテビデオのカルディロ バルシア Cardiro-Barcia博士の行なった「正常分娩におけるより人間的,かつ生理的な分娩への試み」の講演か,参加者に多大な関心と感銘を与え,産婦にとってより良い体位はなにか,現在まで模索をつづけるきっかけを作ったからである.聖母病院の尾島信夫博士はこの時の講演の感想を「(本)講演は,私にとって生涯忘れられない画期的な内容であった.それは自然志向の正常分娩は,人為的介入を伴った分娩より有利性かまさしくあることを証明したばかりでなく,分娩管理全般に関して有益な示唆に満ちていたのである」と本誌に書かれた(42巻5号17頁).
折にふれて語られてきたそのカルティロ バルシア博士か,第1回国際周産期学会出席のため,昨年11月来日した.日本における出産に変革をもたらした博士をご紹介できるのは本誌にとっても喜びである.
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