特集 臨床助産婦のジレンマ
重症悪阻妊婦を看護して
加藤 千香子
1
1多野総合病院
pp.96-100
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900502
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28歳のSさんは妊娠9週の時に,悪阻のため,夜間急患で入院してきました。この時は,早期に悪阻の症状も消失し,入院4日目から食事も開始されて回復の兆しも見え,本人の希望もあったので,8日目に元気に退院していきました。
しかし,この1回目の入院時,私がSさんに対して気にかかったことがいくつかありました。それはSさんが入院して3日目のことで,まだ絶食中でした。すでに吐き気もなくなり,前日から空腹感を訴えていたSさんは,同室者に昼食を配膳していた私に,「私の食事はないのですか」と聞いてきました。
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