特集 産婦人科の治療その限界と展望
日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界
産科
妊娠悪阻
塚田 一郎
1
Ichiro Tsukada
1
1関東逓信病院産婦人科
pp.1068-1070
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204715
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周知のように,つわりが重症化して栄養障害が現われたものを妊娠悪阻というのであるが,最近は有力な鎮静制吐剤の出現,輸液療法の進歩などによつて妊娠悪阻の頻度は減少し,むしろまれな疾患になつている。妊娠悪阻のために妊娠の継続をあきらめなくてはならないような例はもつとまれになつたわけで,浅学の著者はほとんどその経験がない。したがつて,本稿の執筆老として不適任なのではないかと恐れるのであるが,編者のご好意に甘えて,本症の治療の実際とその限界について私見を述べることとした。
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