特集 長期臥床妊婦の看護
妊娠から分娩まで,長期安静体験記
仁田原 恵子
pp.212-218
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900279
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妊娠戦争の終幕
1990年4月11日,私は,帝王切開のための手術室で双子のわが子たちとの対面に胸を躍らせていた。午後1時30分,第1子が取り出された。「ヒー」という,か細い泣き声にこれが産声なのだろうかと思いつつ,無影燈にうつるわが子に眼をこらした。手術室にいた人々が,「意外と大きいじゃない」「女の子!」「あっ眼を開いている」などと口々に言うのが聞こえた。
つづいて午後1時33分,第2子が取り出された。胎盤のうしろにいてなかなか取り出しにくく,医師が足をひっぱるのがみえた。こんどは「男の子!」「おしっこしてる」などといっている。すぐそばのナースに恐る恐る「どこか異常ありませんか」と聞いた。「特に異常ないみたい」という答が返ってきた。
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