Medical Scope
人工子宮内での胎仔生存10日間の世界記録達成
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.1033
発行日 1988年12月25日
Published Date 1988/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207533
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実験周産期医学ということばを皆さんは聞いたことがあるでしょうか。これはここ数年の間に非常に発展した,周産期医学の基礎医学の一分野の学問です。胎児と母体間の生理学,病態生理を,動物(主にサルや羊とその胎仔)を使って研究する動物実験の医学なのです。この方面の研究は欧米で始まり,その基礎は広く根づいてきたのですが,私たちはこの学問によって,胎児が低酸素症になるとどのような心拍数の変化が出現してくるかなどの多くのことを知り得たのです。
そして,500gというような極小未熟児の保育に成功するなど周産期医学が進んでくると,人工子宮が私たちの夢として登場してきます。どうしても生まれてしまう22〜23週の胎児を,いつの日か人工子宮の中でもう少し大きく育ててからNICUの保育器に入れて育てる……そんなことができるでしょうか。この夢はもしかしたら実現できるかもしれないのです。
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