新刊紹介
「看護診断にもとづく母性看護ケアブラン」—看護理論と母性看護実践を結びつける格好の手引書
平澤 美恵子
1
1日本赤十字看護大学
pp.681
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207447
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"看護過程"については,アメリカの看護理論家により1950年代から看護概念の発展とともに研究されるようになり,日本には1960年代に翻訳書によって紹介されるところとなった。看護過程は日々実践している看護に,概念/理論的枠組を適用させることで,看護の順序性,方向性を示し,実践において理論の証明,妥当性を検証しその結果を再現していかれる。母性の看護過程においてもその理論と方法は適用されるのだが,対象の特性と短期間の入院期間という条件において,これらの過程をふんだケアプラン展開はできかねているのが現状である。
今回,Virginia Aukampの著書『看護診断にもとづく母性看護ケアプラン』が翻訳された。内容は妊産褥婦とその家族を対象に,問題解決理論の枠組の中で作用するプロセスに従って,対象のもつ複数のニードに特定のケアプランを立案し,ケアプラン展開の主要な要素を明記している。このケアプラン展開は,現状の母性看護実践・教育の場で求められていた理論的枠組に基づいた,まさに標準的なケアプランである。今後の母性看護の手引書的役割を大いに果たしてくれることと考え,本書を紹介したい。
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