JJM誌上講座・16 効果的な専門職教育のために
授業の基礎(その4)
平野 朝久
1
1東京学芸大学教育学部
pp.594-595
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207426
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以前に,授業というのは,生徒とともに創っていくものであると述べた。一般に,どこかでうまい授業を見ると,すぐにそれを自分の授業に適用してみたくなる。あるいは,そういううまい授業の方法を求めたくなるものである。しかし,そのような気持ちや姿勢を持ち続ける限り,その教師の行なう授業はうまくいかないのである。そこには,目の前の生徒(の示す事実)から出発し,その生徒とともに創るという本質が忘れられているからである。偶然にも,うまくいく瞬間があるかもしれないが,長続きしない。他の授業の方法を学んで,自分の授業のアイデアや発想を豊かにすることは大いに行なうべきであるが,常に上記の本質が貫かれなければならない。
今回は,「授業の基礎」の最終回なので,生徒と創る授業を実現するための,授業改革の全体にかかわる基本的方向づけをしておくことにしたい。
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