連載 いのちの詩を読む・2
生きることとは(くらし/石垣りん)
新井 豊美
pp.92
発行日 1988年2月25日
Published Date 1988/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207313
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石垣りんの詩は、戦後の社会や家族や、その中でけんめいに働く女性の姿を、自分の体験をとおしてうたい多くの共感を呼んでいる。この詩人のように職業人として自立しながら、自分の詩世界を創り上げた女性詩人は残念ながらまだごく少い。
高等小学校を卒業した少女が、当時まだめずらしかった「職業婦人」への道を自ら選んだのは、文学をやりたいという「わがまま」を通すためだったというが、多感な青春時代を戦争に阻まれ、実際に詩人として出発したのは戦後になってのことだった。
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