ナースの意見
石垣先生の御意見にこたえて
A.S子
1
1K病院
pp.38-39
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911527
- 有料閲覧
- 文献概要
6月号“ナースの人権は侮辱されている”で石垣先生が,看護婦の寄宿舎生活の古い観念から出来上つている規則とかまたやり切れない程の非常識,全く人権侮辱の諸事を指摘,批判なさつたことは現世代を生きる若い看護婦たちの代弁でした。これは一つその病院だけに限られるどころか,大部分の寄宿舎生活者がそういう思想から脱皮できないでいるのではないでしようか。寄宿舎規則は集団生活をスムースに,且つ向上させるが故に諸々のルールが提出されるべきが当然であるのにあたかもそれらの理由をはき違え,当時からの弾圧的各項が今だに何の抵抗もなく継続されている事実は実際不可思議千万です。
こんな矢先,偶然にも私の処に面白い一件がありました。遠方よりはるばる親友が訪ねて来たので例の会則なるものにしたがつて面会簿に記入,一応寄宿の管理に当つているおばさんに彼女が泊る旨報告すると寄宿委員であるS婦長さんにも断つて下さいと云う。ある期間,地方の小都市の国立病院できえ比較的自由に過してきた私は,この最も進歩的に時代の先端を行かなければならない都会のど真中で今だにこんなこだわりがあるものかしらと腑に落ちないながらも私は事の成行きでS婦長に報告することに迄相成つた。ところがことは意外な結果を招いたのである。規則が規則なのだからそのような事は絶対許せない。いけません。第一部屋が狭いし他人に迷惑がかかりますと云う。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.