特別寄稿
ハンガリーにおける,最も望ましい家族計画プログラムへの新しい取りくみ
末原 紀美代
1
,
末原 則幸
2
1大阪府立看護短期大学
2大阪府立母子保健総合医療センター
pp.948-954
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207259
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ハンガリーにおける新しい家族計画プログラムの紹介;OFPPとはなにか
日本における出生の変化は多産多死から少産少死へ移行し,一夫婦の持つ子供の数が1.8人となった現在,両親・社会の子供への期待が健康条件と同等に資質条件にまで及んで来ている。そのことは,新生児・乳児死亡の死因の第2位に先天異常が占められている今日,感染性疾患防止対策時代より多岐に亘る母子保健施策が,母子保健総合研究を基に展開されて来ていることからも容易に推測できる。
一方,大阪府の先天異常モニタリング調査(1981〜1984年)によると,出産総数の1.11%に新生児奇形が発見されている。診断を下された両親にとってわが子に対する自責の念と,これからの療育に対しての不安が大きく錯綜し,悲嘆から自立への道程は重く長い。しかし,障害児を持つことにより,子供が育ち成長すると同様に親も成長し,多くの親が認識の変化を促されていることも事実である。
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