特集 受持ち制母子看護
山梨医科大学病院の取りくみ
高野 和美
1
1山梨医科大学病院産科
pp.918-923
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207724
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山梨医科大学病院の看護体制
山梨医科大学病院は昭和58年10月に開院した。開院にあたって,どのような看護方式が看護部の目標である「患者中心の看護」の実現に道をひらくかを検討した。一人の,疾患をもった人間である患者に対して,私たち看護者はどのような援助を提供すべきなのか,そのために何をしていけばよいのかを考えることが出発点であった。この看護の目的や目標を実践するためにはどのような看護方式にするのか,その決定には助産婦と看護婦全員が参加することができた。その結果,上意下達方式では普及しにくい新しい看護方式の導入がスムーズにいったといえる。
当時,わが国のほとんどの施設においてはチームナーシング方式が採用されていた。しかしこの方式では,①看護の一貫性の欠如,②看護の断片化と責任の分散,③ケアの継続性の欠如,④看護の個別性の不足などの問題があり,患者中心の総合看護の実践がむずかしく,現実は業務に追われているという状況であった。
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