クローズアップ
石狩町母子健康センターを退職後、自宅で開業した 田口コウさん
長井 博
pp.901
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207250
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田口コウさんは今ずいぶんと充実している.18年間勤務した石狩町栂子健康センター(北海道石狩川川口の花畔(ぱんなぐろ)村)を定年後に、退職金で建てた念願の「田口助産院」が2年を経過して,軌道にのってきたからだ.
田口さんの半生はドラマだ.新潟生まれの彼女が石狩出身の亡き夫君とシンガポールで結婚したのが昭和15年。翌年1人で日本へ戻ると,苦しい太平洋戦争を生き抜き,戦後故郷の花畔へ戻ることのできた夫と再会したのもつかのま,夫は1年もたたないうちに病死.そして田口さんは一念発起して助産婦の資格を取得.それまでどことなく"ヨソ者"だった田口さんが,以来,医師も助産婦もいない開拓の村花畔で,なくてはならない存在になる.
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