特集 "親と子のきずな"再考--NICU入院児をめぐって
[ケースレポート]
母児同室体制による口唇・口蓋裂児の看護
立石 典子
1
1天使病院小児病棟・NICU
pp.670-673
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207195
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はじめに
当院NICUには年間約200名の未熟児・障害児が収容され,他院と同様,母児分離体制をとっている。この体制は,より良い母児関係を形成する上で欠点があり,それを補うために,NICUを退院する時点で,患児側.家族側に養育上困難が予想される場合,小児病棟に転棟して母児同室とし,看護婦の指導のもとに,ほとんどすべての児のヶアを母親が行ない,学習する体制をとっている。
これから紹介する事例は,口唇・口蓋裂という外表奇形のためにNICUに入院し,母児分離状態のなかで面会,授乳練習等の一連の母児接触をはかったが,重症の口唇・口蓋裂のため授乳障害があり,介護する母親側も,予想していなかった障害児の出産に途方にくれ,精神的にも孤立状態にあった。
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