特集 少産時代の助産婦の進路
新しい地域母子保健活動を創造するために
竹中 美
1
1自治医科大学附属看護学校助産科
pp.305-311
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207110
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はじめに
制度問題に大きく揺れた1年が明けて春4月,21世紀に更に一歩近づくことになった。といっても,まだ新世紀までには10年以上はあるので,その時間の分だけ未来社会への夢や理想を膨らませることは可能である。しかし,紀元が2000年になったからといって急に素晴らしい世界が待ち構えていようとは誰も考えないであろう。現在の延長線上に21世紀があり,過去の結果が現在である。したがって現在のなかに,将来起こること,実現することの兆しがすでに存在していることが多い。この兆しを情報としてどう受けとめ行動するかによって,未来予測が現実のものとなったり,はずれたりもする。こんなことを考えながら,ますます複雑化する社会構造のなかにあって,やはり今という時期がいっそう重要に思えてくるのである。というのも,これからの助産婦の働き方次第では,その活動の母子保健全体に与える影響が大きいと言わざるを得ないからである。
新時代に向かって活力ある助産婦活動をあれこれ発想する前に,希望の目的地に向うとき地図で現在地を確かめるように,先の兆しを意識しながら助産婦活動の現状(現在地と周りの様子)について少し述べてみたいと思う。
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