連載 おとめ山産話
向老期女性の時期別援助指針
尾島 信夫
1
1聖母女子短期大学
pp.176
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207080
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ラマーズ法で自主的に分娩し得た賢い女性たちには,更に更年期も上手に突破して,安定した老年期を,明るくボケずに生きられるよう援助をしてあげたいと思う。更年期障害は,協力を続けて来た卵巣が突然内分泌腺仲間から引退してしまうための混乱から生じた,自律神経失調症による障害で,数年後には必ず自然になおるものではあるが,対症的に短期間のエストロゲン療法もよいし,Diol錠(プレグナンジオール2γ)の連続内服は無害有効である。
更年期障害と区別が必要なのは,老化現象による各種の苦痛をともなう疾患,症状である。たとえば老人性腟炎・膀胱炎・性交痛等の治療や予防にはE3の腟坐薬やセックス用粘滑剤(たとえばリューブゼリーやザーネクリームなど)が有効であるが,骨多孔症(→骨折),関節痛,高血圧,糖尿病,そして癌などには定期検診による早期発見が第1である。
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