連載 教育評価のはなし
研究のすすめ方(5)—クロス集計の考え方について
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.93
発行日 1987年1月25日
Published Date 1987/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207061
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前回は,質問紙法による調研究について,質問紙の作り方や実施のしかたなどの注意をお話ししました。その中で,調査データから項日間の関係をどのように見ていくかがポイントであり,関係を見やすいような質問紙を作る必要があることを強調しました。今回は,項目間の関係を見ていくときに使われるクロス集計について説明してみましょう。
いま,質問項目A「授業の内容がよくわかった(はい・いいえ)」とB項目「教材に興味が持てた(はい・いいえ)」の2項目について100名の学生の意見を求めたところ,項目A,Bとも,はい・いいえの数が50名ずつの同数でした。調査結果の集計は,まず,このような形で行なうはずです。この集計のみで解釈すると,約半数の学生が授業がわかり,教材に興味を示したといえます。ところが,同じ50名ずつの反応数でも,その中味を見てみるといろいろな様相があります。100名のデータを表1のように分類してみます。
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