臨床遺伝学講座
Ⅵ.出生前診断
又吉 國雄
1
,
相馬 広明
1
Kunio Matayoshi
1
,
Hiroaki Soma
1
1東京医科大学産婦人科学教室
pp.835-839
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206719
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子宮内胎児異常の早期発見を目的とした「出生前診断(胎内診断) prenatal dignosis」は,その方法により,1) X-ray,超音波,熱線(thermogra—phy),電位変化(胎児ECG,EEGなど),羊水鏡,胎児心音モニター等を用いて胎児をin situで検査する方法。2)羊水を採取し,細胞学的に,また生化学的に調べて胎児の異常を発見する羊水検査法(diagnostic amniocentesis)。3)母体の血液,尿の酵素,ホルモンを生化学的に検査する方法。4)胎盤生検などの特殊検査等に分けられる1)が,中でも羊水検査法は,羊水の染色体分析生化学的分析技術の進歩に伴い,今日の臨床遺伝学の大きな分野を占めている。
今回は羊水検査による出生前診断について述べるが,先ずその目的を明確にしたい。
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