特集 母子の看護過程
母子の看護過程
渡部 尚子
1
1埼玉県立衛生短期大学看護学科
pp.542-549
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206909
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はじめに
「看護過程」という言葉が看護領域で用いられ始めたのは,1950年代から1960年代のことで,それは現代看護を探究しようとした主にアメリカの看護理論家の問からであった。この「看護過程」は,その後多くの看護理論や看護概念の発展にともなって盛んに研究されるようになり,今日に至っている。
わが国でも,上述の年代に著された看護過程にふれた本が,1960年代の中頃より相次いで翻訳され紹介されてきた。しかし,看護過程がわが国の看護界で,人々の耳目を集めるようになったのは,ここ10年,特に最近5年位のことである。この背景には,1970年以降の,より発展をみた看護過程の理論や,その理論を看護実践と結びつけてゆく具体的な業務基準,方法論がアメリカで次々と示され(ANAの看護業務碁準,POSの考え方を導入した看護記録など),その日本での紹介が,わが国の看護職に大きな動機づけとなっていることは疑いの余地がないであろう。
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