連載 おとめ山産話
胎児性タバコ症候群
尾島 信夫
1
1聖母女子短期大学
pp.444
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206883
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「タバコは動くアクセサリー」とか題してスマートな女性が紫煙をくゆらしている専売公社のポスターが貼ってあったのもそう昔のことではなかったが,タバコの被害がはっきり研究され,ことに受動的に吸わされる傍の人への影響もわかってきてからは,大きな犬と猿がにらみあっている「嫌煙権」(犬猿けん)のポスターが地下鉄にも現われるようになってきた。
私たち産科プロフェッショナルにとっては,女性ことに妊婦の喫煙が問題である。たしか英国のポスターであったが,乳母車の中の赤ん坊が葉巻をくわえていて"Is it too early?"「これは早すぎるでしょうか?」と題してあったのをみてギクリとしたことを思い出す。妊婦が吸ったら弱い胎児にどんなに影響するかと心配される。
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