連載 新生児理解のための基礎講座・14
黄疸[1]
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門
pp.437-443
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206882
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黄疸はすべての新生児に多かれ少なかれ認められるものであり,ほとんどの場合,胎内環境から胎外環境への適応の過程の一生理的現象としてとらえられます。しかし,黄疸がなぜ新生児医療において重要な意味を持つかと言いますと,血液型不適合などの病的な原因による黄疸が新生児期に高い頻度で見られること以外に,黄疸は核黄疸として児の一生の知脳障害につながるからであります。
黄疸とは肉眼的に認められる皮膚の黄染の意味であり,注意深い観察を行なえば必ず早期に発見できる異常であります。そのことは必ず早期に治療ができるということを意味するものであり,極小未熟児などの特殊な症例を除けば,核黄疸は現代の医学では完全に防ぐことのできる疾患であります。今回,2回にわたってその基礎的な内容と病態について解説を行ないます。新生児医療の最も大切なポイントの1つですので,しっかり勉強して下さい。
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