特集 先天異常児を出産した両親への援助
先天異常—その理解と医療の役割
飯沼 和三
1
1国立小児病院小児医療研究センター先天異常研究部
pp.196-200
発行日 1986年3月25日
Published Date 1986/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206833
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はじめに
生まれてくる我が子の五体満足なことを願わぬ親はいない。子は,肉体的にも精神的にも親の分身であり,子の不幸は親の不幸に感じられる。しかも,特に女性の立場からすると,自分の体内に宿り,栄養を与え育んだ子供が,何かの異常を持って生まれてくると,あたかも自分の責任であるかのような錯覚に陥りがちである。
ひとつひとつの異常は,きわめてまれな疾患であっても,総体としての先天異常は,ありふれたものである。先天異常の数はそれほど多い。
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