連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
1つの生命の誕生,そしてワーカーの関わり
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.182
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206828
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産院(産科)という医療の場は,常時,緊急態勢下にあって,妊娠・出産に関連した患者の身体症状の変化に機敏に対応する。破水,出血,緊急の分娩といった救急事態が日常的にみられるからで,医師や助産婦は,その事態に適切かつ冷静に対処しなければならない。
ワーカーは,それに併行して,患者や家族から今に至るまでの身辺状況を聴取する。大方は精一杯に対処している姿がみられるが,自分の状態に対する余りの無知,無責任さに唖然とさせられることも少なくない。次の事例は,患者の言動が医療スタッフのひんしゅくを買い,患者に集中するスタッフの冷たい視線を共に浴びながら,ワーカーが延々5か月余にわたってとり組んだケースである。
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