連載 母子栄養1ページレッスン
鉄欠乏性貧血と食事
西村 薫子
1
1自治医科大学附属病院栄養部室
pp.915
発行日 1985年10月25日
Published Date 1985/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206749
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妊婦の血液を妊娠の全期間を通じて検査した結果,50〜60%に貧血傾向を認めたという報告がある。また,妊婦の正常ヘモグロビン濃度の下限が12g/dlと非妊婦のそれより低いこと自体,妊婦は生理的に貧血傾向になることを示している。
妊娠に合併して起こる各種の貧血に関係するのは,ヘモグロビンの生成に必要な鉄をはじめ,蛋白質,ビタミンB12,葉酸,ビタミンC,銅などで,これらの栄養素の適正量の摂取が,貧血の予防やその初期の治療に効果のあることが臨床上経験されている。
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