連載 教育評価のはなし
標準偏差の意味—その1
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.914
発行日 1985年10月25日
Published Date 1985/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206748
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前回は,平均の意味とそれを使う際のいろいろな制約について説明しました。今回は,平均とともに重要な値である標準偏差についてお話しましょう。
標準偏差を2乗した値を分散といいます。標準偏差も分散もデータを扱う際によく使われることばですが,意味は同じです。標準偏差は,SD(Standard Deviation)と略記されることがあります。標準偏差(分散)とは,データが平均値からどのくらい隔たっているかを表わした測度です。テストや実習の結果を得点化し,それを集計するときに,ほとんどの人はデータの平均値を求めると思いますが,それとともに,標準偏差を求める人も多くなってぎています。特に最近は,比較的安い電卓でも,データを入力するだけで即座に平均と標準偏差とを計算する機能を備えたものがあり,ますます簡単に両測度が求められます。
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