連載 教育評価のはなし
平均の意味
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.823
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206731
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テストを実施したり実習の結果を評定したりするとき,100点満点の採点や5段階の数値のあてはめなどを行なう場合が非常に多いと思います。そして,おそらく100%の人がその結果の平均値を求め,70%(?)ぐらいの人が標準偏差を求めるであろうと推定されます。
平均とは測定した結果を代表する値(代表値)の1つで,測定値がどのくらいの大きさかを簡潔に表わすことができます。また,測定値がどのくらいちらばっているかを表わす値に(標本)標準偏差があります(標準偏差を2乗した値を分散といいます)。平均も標準偏差も大変よく使われるため,他に方法がないように思われがちです。しかし,両者ともいろいろな方法のうちの1つであり,しかもこれらを求める場合にはいくつかの前提があります。今回は平均についての前提を述べてみましょう。
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