特集 マタニティーブルーと産褥期うつ病の臨床
マタニティーブルーと産褥期うつ病の看護
寺田 真廣
1
,
田村 文子
2
1群馬大学医療技術短期大学部(母性看護学)
2群馬大学医療技術短期大学部(精神科看護学)
pp.573-581
発行日 1985年7月25日
Published Date 1985/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206680
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はじめに
女性のライフサイクルにおいて,思春期,産褥期,更年期に精神障害の発生頻度が高いといわれているのは周知のとおりである。特に生殖過程に関連した精神障害の中で,産褥期(通常,分娩直後から6〜8週間)におこる産褥精神病(puerperalpsychosis)は困惑,感情易変性,錯乱,せん妄などのいわゆる外因反応型や分裂病様症状,躁状態,うつ状態,神経症様症状など多様である1)。産褥精神病ではうつ状態を主徴とする症例が最も多いとされている。
また,Pitt2)は,産褥1〜2日,3〜4日,10日目におこる一時的抑うつとメソメソ涙ぐんだりする一過性の症候群をマタニティーブルー(Maternity Blues)と呼び,産婦の半数にみられたと報告している。
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