連載 産科臨床検査の実際・5
感染症の検査法(2)
石井 明治
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.371-374
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206638
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妊娠と梅毒
梅毒は,トレポネーマ・パリズム(TP)によってひき起こされる慢性特異性炎症性疾患で,妊娠時には胎児への影響を考慮しなければならない.
母体がTPに感染すると,まず胎盤がTPに侵され,次いで胎児へ感染する.母体が妊娠前にTPに感染している場合は,感染が新しいものほど胎児への感染率が高い,妊娠中に感染した場合には,感染が妊娠初期であるほどその感染力は強く,妊娠成立周辺の母体感染ではほぼ全例に胎児感染がみられる.妊娠末期の母体感染では胎児への感染力は弱い.
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