連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から【新連載】
医療におけるソーシャルワークとは
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.364
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206635
- 有料閲覧
- 文献概要
現在,医療ソーシャルワーカーは,全国各地域の保健所・病院・診療所・リハビリテーション施設などに3,000人近くが働いている。しかしこれらの保健所・医療機関ではごく一部にしか配置されていないために,世間一般ではワーカーの存在を知らない人の多いのが実情である。現に,私の勤務する産院では,毎月行なわれる母親学級の第1日めに医療ソーシャルワーカーの仕事を受講生に話す機会をもっているが,そこで開口一番,「皆さんは医療ソーシャルワーカーをご存知ですか」と聞いてみる。ケースワーカー,医療相談員,医療福祉相談係,ソーシャルワーカー,また英語のMedical Social Workの直訳での医療社会事業,あるいは英語の頭文字をとってMSW等と,その機関によって呼び方は一様でないことを断わってあげていくと,何人かの人が"ああそれなら知っている"と頷いたり,同意を表わす顔にぶつかる。が,大方の人は全く知らないといった表情であり,自分でもその呼称の多様さとその存在の薄さに驚くのである。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.