Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
てんかん患者の多くは適切な薬物療法にて発作がコントロールされており,健康で正常な家庭,社会生活を営んでいる。とくに特発性てんかんと呼ばれる一群は脳障害を合併せず,その予後はきわめて良いとされている。しかしそれ以外のいわゆる症候性てんかん患者では,発作が難治である場合も多く,あるいは知能障害や身体障害,精神障害などの合併もあり得る。このようないわゆる難治てんかんにあっては医学的問題のみならず,さまざまな心理社会的問題も多く,それらに関して相談をうけ,必要な援助の手を差し伸べることが必要であり,そのために医療ソーシャルワーカーがある。しかし一方てんかんは身体・精神障害をもたらす多くの疾患とやや異なる医学的側面があるので,てんかんに携わる医療ソーシャルワーカーはてんかんに関する医学的知識が必要になる。
現在日本全国で4500人の医療ソーシャルワーカーがいると言われているが1),しかし特別にてんかん患者に専門的にかかわる医療ソーシャルワーカーは,少数のてんかん専門病院での勤務者を除けばほとんど皆無といってよい。一方また医療ソーシャルワーカーそのものが十分に社会的に認識されているとはいえず,その資格も未だ法制度化されていない。さらに関係者の意見がまとまらないので資格の法制度化や資質の向上は困難な状況にあるという。
Medical social works in the filed of epilepsy are much needed, particularly when we are dealing with persons who have intractable epileptic seizures or those with some other disabilities in addition to seizures. The author described the guiding principle for medical social work edited by research associ-ates for the speciality of medical social work (1989). It described the meaning, extent of works and methods of works. The author mentioned an impairment, disability and handicap of patients with epilepsy and how one could apply the principle to epilepsy.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.