特集 臨床実習指導--なにを目指すのか
助産婦学生実習指導への一視点—分娩室実習における私の体験から
竹内 千恵子
1
1帝京高等看護学院
pp.191-196
発行日 1984年3月25日
Published Date 1984/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206411
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臨床実習で学生が学ぶことは
出産とは1人の人間がこの世に誕生するという厳粛な事実のほかに,新しい母親の誕生の瞬間という側面をもつ。そして新しく誕生する母にとって,子にとって分娩は,互いに支えあいながら人間として成長していく大切な出発点であると言える。逆に言えば,この時どのようなスタートをきるかということが,母子にとって人間としての生き方を決定すると言っても過言ではない。
だとするとこの時母と子が,分娩を「良いお産」と受けとめ生かしてもらえるように援助することが重要であり,その役割を担うのが看護ではあるまいか。つまり新しく誕生する母子が,分娩体験をこれからの人生の中でどのように生かしていけるようになるか,それは看護者のかかわり方に影響されると考える。
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