グラフ
鐘の音にすこやかな成長と発達の願いをこめて—オープン1年を迎える埼玉県立小児医療センター
八木 保
,
本誌
pp.87-90
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206391
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小児の医療・看護においては,対象が"小児"という一言の概念だけではとらえきれないところに,ケアのむずかしさがあるといえよう.新生児・乳幼児・学童・思春期各期それぞれの成長と発達の課題を必ず背に負いながら,医療を進めていくことが要求されているのである.しかし往々にして成長発達期途上にある子どもの全体をみるよりも,疾患の治療に目が向きがちなことも否めない.
そうした陥穽に入りこまぬことを最大限に心がけ,生活人である子どもをみようという姿勢を貫いて,埼玉県立小児医療センターはオープンして1年近くを過ごしてきた.センターの役割はなんといっても県内全域の小児の第三次医療を担当することにあるが,重篤・難治疾患の治療とともに,子どもの全人格的な発達の援助にも同様の力を注いできた.
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