研究・調査・報告
明治末期より昭和初期にかけての生理用品について—明治の女性の語る月経にまつわる話
小野 清美
1
,
山田 節子
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.819-827
発行日 1983年10月25日
Published Date 1983/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206321
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目的
生理用品の歴史をみると,今日のように日常生活必需品として,表舞台に登場するようになったのは,1961年(昭和36年)のアンネニューナプキンが発売されるようになってからわずか20年間である。「今日はアンネよ」と若い女性が口に出せるようになったことは,わが国の性のタブーと血の穢れ・不浄という認識を大きく変えた革命的なことであったともいえよう。今や生理用品は氾濫している。
われわれは,現在市販されているナプキン,タンポンによる経血処理の微生物学的検討を行なってきたが,同時に生理用品の歴史にも興味がわいてきた。過去の生活状況に思いをめぐらせると,タンポン的(腟内挿入様式)なもののほうが,ナプキン類よりむしろ自然であったのではなかろうか,そして意外にタンポンの歴史は古いのではなかろうか,という疑問をもった。そこで,わが国の生理用品の変革を知りたく思い,70歳以上の高齢者たちより聞き取り調査を実施したのでここに報告する。
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